top of page
  • FROGS Corp

この世界に煌めくきっかけをーLEAP DAY2022インタビュー記事ー




LEAP DAY(リープデイ)は沖縄の学生を対象として人財育成プログラム『Ryukyufrogs』の成果発表の場として2012年から始まり、2017年より那覇市で開催される総合的なカンファレンスイベントとなりました。今年度(LEAP DAY2022)は、【リカレント教育】【未来の教育】の2つの視点で12月17日-18日の2日間開催いたします。


今年のLEAP DAYのテーマ「この世界に◯◯を」では、一人一人がこの世界にどんな〇〇を創りたい/期待したい/与えたい/描きたいのかを考える。そして皆さんも一緒にLEAP DAYを創っていく、そんな想いが込められて今年のコンセプトが決まりました。


今年度も新型コロナウイルスによるパンデミックをはじめ、ロシアによるウクライナ侵攻、沖縄の本土復帰50年などさまざまな出来事が起こりました。社会が目まぐるしく変化する今日において、時代の変化に合わせて改めて日本の未来について考える機会は、皆さんにとっても様々な気づきや学びをもたらしてくれることでしょう。


今回の記事ではそういったLEAP DAYの思いに共感し、支援をしてくださっている西日本電信電話株式会社 沖縄支店の仲里さんの取り組みについてご紹介いたします。





西日本電信電話株式会社 沖縄支店

ビジネス営業部 ビジネス推進部門 ビジネス推進担当

仲里 治樹 さん


 

地域と一緒に成長させてもらっている企業だからこそ


ーーインタビューよろしくお願いいたします!早速ですが、仲里さんの現在の業務について教えてください。


宜しくお願いいたします。私は現在、NTT西日本沖縄支店にて、地域活性化に向けた業務を担当しています。


この活動は、各地域の社会課題をNTT西日本のICTの力で解決し、地域を元気にするビタミンのような存在になりたいという構想のもと、継続していくためビジネス化まで見据えた取り組みです。


沖縄支店では、沖縄の地域課題の一つとして「離島教育の格差是正」に注目し、 『教育×産業×ICT』をテーマに取り組みを進めています。


地域の“ビタミン活動” とは
NTT西日本グループでは、地域を取り巻くさまざまな課題をICTを活用し、地域のお客さまやパートナーの皆さまと共創し解決する、地域を元気にするビタミンのような存在をめざした活動を行っています。
ーNTT西日本 地域の“ビタミン活動” より一部抜粋

ーーそもそも、なぜ地域活動を強化する取り組みを行なっているのでしょうか?


情報通信分野を軸に、地域に根差した事業を展開している企業として、また、地域と一緒に成長させてもらっている企業として、社会課題の解決を行うことは責務だと考えるからです。

沖縄に限らず、人口の減少や地域経済の縮小などの様々な社会課題がある中で、NTT西日本は支店ごとに、地域に密着した活動を展開しています。


ーー仲里さん自身はどのような思いで活動に取り組んでいるのでしょうか?


以前、転勤のため福岡で生活をしたことがあります。慣れない環境で新しい業務をこなしており、少し疲れてしまった時がありました。私はドライブが好きなので、気分転換に少し遠出をしたいと思い、どこまで行こうかと考えていたのですが、その時に、2時間程度ドライブすれば熊本まで行けると気づきました。


いたって普通のことなのですが、それまで沖縄で生活をしている自分にとって、簡単に隣の県まで行けるという事実は、陸路でつながっているということを非常に実感できた良い経験でした。


沖縄の生活で不便を感じた時もありましたが、それが普通だと思い、解決していこうという気持ちは、正直、ありませんでした。しかし、「陸路でどこまでも繋がっていることや、繋がっているからこそ人や文化の交流のハードルが低いんだ」という経験をしたことがきっかけで、沖縄が日本本土から離れた島であるからこそ、移動や交流に制約があると気付き、どうにかしたいと思いました。


当社で地域活性化の活動に関わるようになってから、自分の経験も含め改めて課題を認識し直し、「自分ができることってなんだろう」と考えながら、取り組みを進めています。


また、私が担当している沖縄の離島エリアは、さらに離れている分の制約があるので、そういったところを何とか解決していきたいと思っています。


NTT西日本のICTやインターネットの力を使って、離島エリアの教育や経済活性化のために何ができるかを模索しています。



 

離島で革命を起こせるような人材を育てる


ーー先ほど、「離島エリアで教育×産業×ICTをテーマに」と仰ってましたが、なぜ離島の教育支援に力を入れているのでしょうか?


まず、なぜ離島エリアかというと、沖縄本島も離島なので、離島エリアの問題を解決することで、沖縄県全体の課題も解決できると考えているからです。もっと広い目で見ると、世界から見たら日本も島国(離島)なので、離島エリアで解決できる仕組みが作れたら、沖縄でも解決できるし、日本でも、世界でも解決できると考えています。


次に、なぜ教育なのかというと、沖縄県が出している21世紀ビジョンの中でも、未来の人材をどう確保していくかと多く記載されていることから、その課題を解決するには教育がポイントになると考えているからです。


教育は成果も見えにくいですし、時間をかけて取り組むことなので、地域と密着して事業活動を続けているNTT西日本だからこそ、継続的に離島の教育を支援できる仕組みを構築し、アプローチし続けられると考えております。

ーー離島教育に力を入れた10年後、20年後はどのような未来になると考えていますか。


将来的には離島エリアの産業を活性化させたい、産業を起こしていきたいという思いがあります。


離島では、産業が少ないことが、地域経済の弱体化や人口の減少などの課題に繋がっています。その解決策として、既存産業でも新しいことを取り入れたり、新しい産業を誕生させたりするなどの、革命を起こせるような人材を増やしていきたいです。本取組でそういった人材が増やすことで、プラスのスパイラルに持っていけると考えています。

また、沖縄県も今後は人口が減少するという予想が出ていますので、離島で成功したスキームを使って、沖縄県全体を元気にさせる営みができると思っています。




 

島を出る15歳までに気づきを与えるきっかけを


ーー沖縄県の人口減少も心配ですが、離島だとよりそれが深刻化してそうですね。


沖縄県もあと数年で人口が減少していく予想が出ており、心配ですね。

離島でも深刻な問題だと考えています。多くの離島で高校が設立されていないため、高校進学のタイミングで島を出ていき、そのまま戻ってこないことが多いです。なので、高校進学をする15歳までに気づきを与えるきっかけを多く作りたいと思っています。


15歳までに気づきを与えるキャリア教育を提供していくことで、島を離れた時に改めて「島の良さって何だろう?」と考えられるような力を養って欲しいです。将来的に地元に戻ってこなかったとしても、島外から「地元をアシストするためにはどうしたら良いだろう?」という発想を持って欲しいと思います。


ーー実際の離島キャリア教育ではどのような取り組みをしているのでしょうか。


GIGAスクール構想で生徒一人一人に用意されている端末を使って、講師と離島の生徒たちをオンラインでつないで、授業を行なっています。

現在は職業観を養うカリキュラムを実施したり、その準備段階としてコミュニケーションを学ぶカリキュラムを提供しました。対象学年や先生方と打合せを行い、生徒に必要なカリキュラムを個別に調整しながら実施しています。


まだまだカリキュラムが不足しているので、パートナー企業の皆様と一緒に提供できるカリキュラムを増やしている最中です。


ーーこれまで仲里さんがキャリア教育支援に携わるなかで、嬉しかったことはありますか?


実証授業をさせていただく中で、生徒が真剣に取り組んで学びを吸収しようとする姿や、目の輝きが変わった時に良い刺激を提供できているなと嬉しく思います。


また、先生方からも「普段発言が少ない生徒が積極的に発言していたり、受け身がちな生徒が積極的に周りの生徒を助けていたりするなど変化があって良かった」とコメントを頂けたので、この取り組みが間違っていなかったと嬉しく思っています。

ーー仲里さんが現在の業務に携わるようになったきっかけを教えてください。


入社以来、コンシューマ向けコールセンタ(116センタ)に15年ほど従事し、昨年より地域活性化活動の担当として、取り組みに携わるようになりました。


なので、キャリア教育やアントレプレナーシップ(起業家精神)という分野は、ほとんど素人状態でした。それでも自分なりに勉強したり、社内外の方々とお話しをさせていただくなかで、沖縄の子どもたちの将来や教育をこんなにも真剣に考えている方々、取り組んでいる方々がいらっしゃるのかと驚きもありましたし、心強さも感じました。


私も子どもが二人いますので、彼らの可能性も広げたいというモチベーションもあり、日々勉強しながら取り組んでいます。


ーー余談ですが、仲里さんの教育方針は何でしょうか?


のびのびと過ごして欲しいので、制約はしないようにしています。


やりたいことをなるべくさせてあげて、何かに目覚めた時に子どもの勉強意欲が高まると学んだので、子どもたちが好きなことを見つけて、そこにぐっと道を定めるまでは見守ってあげようというスタンスです。




 

この世界に「煌めくきっかけを」


ーー最後に今年のLEAP DAYのテーマが「この世界に〇〇を」に仲里さんは何を当てはめますか?理由も含めて教えてください。

私が考えるのは、この世界に「煌めくきっかけを」です。


今の業務を通して感じるのが、離島エリアは普段目にする職業が少ないですし、周りの環境も良くも悪くも変化が少ないので、子どもたちが将来像を考える時に情報や刺激、きっかけが不足しているなとすごく実感しております。


実際、島にいる多くの子どもたちの将来なりたい職業は、船の運転手、自衛隊、漁師といった、普段目にしている職業なんです。もちろん素敵な職業ですが、普段目にしていることが将来に直結しているので、他に何かできる可能性があることに気づきにくい状況なのかなと感じます。


どこで育ったとしても、同じ情報が得られて、平等に学べて、一人一人が煌めいて、可能性を伸ばせる社会になってほしいですし、そういう社会をつくっていくんだという思いを込めて「煌めくきっかけ」を当てはめました。

 

LEAP DAY 2022は12/17(土)・18(日)に開催!

チケット申し込みはコチラから!

今年は、那覇市ぶんかテンブス館にて「リカレント(生涯)教育」と「未来の教育」を軸に、様々なテーマでトークセッションやワークショップ、プレゼンテーションなどを開催します。なんと参加チケットは完全無料! 席を確保するためには、事前申し込みが必要ですので、お忘れなく!


※申込された方は優先的にご案内しますが、席数に限りがあるため、申し込みをされていても、お席が確保できない可能性がございます。ご了承ください。



bottom of page